【2020年】言語学を学びたい人におすすめの本5選+α【入門向け】
言語学という分野は、おおざっぱに分けると「言語そのものを研究するか」、「より学際的にほかの分野とのかかわりを研究するか」に分けることができます。
前者の例は、例えば文章や単語がどのようにできているのかを研究したり、言語に使われている音声を研究したりするものです。
後者は、より社会学や地理学に近い内容になります。たとえば、言語同士を比較して共通点と相違点を導き出したり、言語の変化を探ったりします。
今回の記事は、章をいくつかに分けています。とりあえず言語学って何なのか、広く浅く学びたい人向けに本を何冊か最初に紹介します。そのうえで、より深く、特定の分野にも手を出したい方向けに、いくつかそれぞれ入門者向けの本を取り扱っていこうと思います。
はじめての言語学(黒田龍之助)
言語学についての前提知識がなく、とりあえず言語学ってどんな学問なのか知りたい、という方にはこちらがおすすめです。言語の仕組みや、言語同士の関わりなど、かなめとなる言語学の重要トピックが抑えられています。
本当にわかる言語学
内容としては、言語学で取り扱われる内容を広くまとめた本です。はじめての言語学に比べて多少は専門的な内容が含まれています。前提知識ゼロでこの本から読み進めていくのはあまりおすすめしません。「はじめての言語学」で、一通り言語学の中身を理解してから読み進めるのがおすすめです。
言語学の教室
こちらの新書で主に扱っているのは、「認知言語学」の内容です。言語学ってどういう学問?といった問いに答えるというよりは、何となく自分の意識に植え付けられている言語のあり方について考え直させてくれる本です。日本語母語話者として、こういった表現は自然だけどこういった表現は不自然。そういった違いは常にあるでしょう。ではその差はどこで生じているのでしょうか。
言語学講義
こちらも基本的には言語学の入門書ですが、言語学そのものというよりも、言語学の研究について、具体的にはいままでどういう研究がなされてきたのか、という点がフォーカスされています。
言語類型論入門
分厚くて内容も簡単ではないですが、言語類型論のトピックを一通り網羅しています。これ一冊読破すれば、類型論は怖いものなしでしょう。類型論とは、その文字の通り世界中の言語に当てはまる普遍的な法則のようなもの。例えば語順(SOVやSVO)や、時制など、「言語」と聞いてぱっと思い浮かびそうなトピックについて、共通の法則を導き出していきます。
(おまけ)明解言語学辞典
こちらは読み物、というよりは辞典です。本を読み進めたり、論文を読み進めていくとよく意味が分からない単語書くくることがあると思います。そんな時に明解言語学辞典を引いて意味をか
まとめ
とりあえず言語学について、いったいどういう学問なのかを知りたいという人は、最初に紹介した「はじめての言語学」がおすすめです。
また、どちらかというと「読み物として」言語の不思議についてもっと知りたいという方は、「言語学の教室」がおすすめです。認知言語学は非常に面白いトピックです。読めば読むほど面白くなってきます。
趣向を変えて、言語そのもの(つまり音韻、文法など)についてもっと知りたいという方は、言語類型論入門に手を出してみてください。