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【超おすすめ】初歩から広東語を勉強したい人向けの勉強法とおすすめ教材

 

広東語とは

広東語は、中国語の一方言ではありますが、文法や語彙、そして発音は普通話(北京語)とは大きく異なっています。首都圏方言と関西弁の違い、などのような生ぬるいものではありません。

香港を中心に話される言語

広東語といえば香港、香港といえば広東語。広東語はシンプルにまとめると、香港で話されている言語と理解しておいてください。

もちろん香港でけでなくお隣のマカオ、そして中国本土の広東省でも話されています。

また世界各国に移住した中国系移民の中にも広東語を母語とする集団が存在します(彼ら彼女らの多くは広東省や香港から移住したのでしょう)。

1.最初に手を付けるべきは最難関の発音(母音・子音・声調)

普通話と同様、最初に手を付けるべきなのは発音。理由は簡単で難しく、これができないと後々の学習に影響を及ぼすからです。

子音は簡単

広東語の子音は難しくありません。普通話でいう「zh」「ch」「sh」のそり舌音の発音はなく、日本人が特別苦手とするような発音はないように感じます。

しいて言うなら鼻濁音の「ng」が難しいかも。「か゜」であらわされることもありますが、日本人が意識して使っている音ではありません。ですが、これも練習すればできるようになりますし、そこまでこだわる必要はありません。

声調と母音はトレーニングが必要

子音は比較的簡単ですが、声調と母音は難しめ。声調は6つ(+3つ)あり、普通話の倍以上。母音は日本語にない音はもちろん、複合母音の組み合わせが難しく、覚えるまでに時間がかかります。

注意:発音記号は定まっていない

広東語の発音学習を難しくしている要因のひとつが、発音記号が定まっていないという点です。

動画、サイトはもちろん教材によっても使われている発音記号が異なる、というのはごく普通の話。粤拼やYale式がメジャーではありますが、普通話でいうピンインや注音符号のように統一されているわけではありません。

2.基本文法と語彙

広東語の基本文法と語彙は普通話ができるなら簡単です。文法の差異はありますが、大きなものではなく、北京語との対応を覚えればOK。口語だからといって、まるっきり参考書を買わずに勉強するのはおすすめしません。

広東語を学習している日本人は残念ながら少数派。話者数でいえばかなりの人口が広東語の母語話者ではありますが、広東語のネイティブスピーカーの多くは普通話(北京語)や英語をよくしゃべるので、わざわざ広東語を学習する必要がないと考える人が多いのかもしれません。

それを反映してか、書店などを見ても広東語の教材というのはあまり見かけないかも。教材の選択肢が少ないの中で選ぶのも大変なことではあるので、今回は2つの広東語を始めるなら絶対に買っておきたい教材を紹介していきます。

広東語を勉強するうえで絶対に買っておきたいのは次の2冊。

1冊目:いちばんはじめの広東語会話

いきなり単語帳やがちがちの文法書から入るのではなく、こういった「会話」ベースの教材に手を出してみるのがおすすめ。そもそも広東語は話し言葉としての側面が強いので、会話ベースの学習は合理的です。

この一冊で身に着けたい力は以下の2つです。

・広東語の発音(母音・子音・声調)

・広東語の基本文法と基本語彙

ただ、発音についてはこういった紙媒体の書籍だけでの練習はおすすめしません。CDがついているとはいっても、実際の口の形を確認できるわけではありません。Youtubeなどで、広東語の入門動画を探してみるのがよいでしょう。

広東語の勉強を始めようと考えている人の中には、すでに普通話を習得したという方も多いと思います。そういった方にとっては、広東語は決して難しい言語ではありません。もちろん発音は個別に覚えていく必要がありますが、基本文法と基本語彙といった観点からみるとうまく「広東語と北京語」を対応させることができれば、あとは文章を組み立てて、広東語の発音で読んでいくだけです。この「いちばんはじめの広東語会話」はとにかく例文が多いので、普通話の知識でだいたいの意味を理解して、あとはひたすら音読していくというストレートな勉強法が効果的になります。

また、ニューエクスプレスシリーズが好きという方は、こちらのニューエクスプレス広東語を買ってみてもよいかも。

ニューエクスプレスプラス 広東語《CD付》

ニューエクスプレスプラス 広東語《CD付》

  • 作者:飯田 真紀
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 ニューエクスプレスシリーズはフランス語や中国語などの「メジャー言語」のみならず、あまり日本人には馴染みのない言語の教材も多数出しており、名前を聞いたことがあるという方も多いと思います。内容はいわゆる「教科書形式」。

2冊目:いちばんはじめの広東語単語

広東語単語1600語収録と、広東語用単語帳としては最高レベルのクオリティの単語帳が、この「いちばんはじめの広東語単語」。

中身は他の単語帳と比較して特に目立つところがあるということはなく、単語、訳、例文、例文訳がずらずらと並べられていますが、カテゴリ別になっているので学習の目標を立てやすいのがメリット。

もちろん、すべての単語を覚えるべきかといわれるとそうではありません。果物の名前や野菜の名前を全部覚えるよりは、汎用性の高い単語や、使えそうなフレーズを中心に目を通すのがよいと思います。

こちらも1冊目と同様、普通話を習得したという方にとってはかなり読み進めていきやすい内容です。語彙に多少の違いがあるとはいえ、基本的には単語の「発音」を覚えていくことにつきます。

目より耳・口:音読を欠かさずに

広東語に限らず、言語はやはり耳で聞いて口でアウトプットしていくのが上達の早道です。「耳」については3.で細かく紹介していきますが、「口」については音読による勉強が必須。

出てきた文章をとにかく口に出して読み、流ちょうに、つっかえなくなるまで続けていくのがコツです。

3.1.2と並行してYouTubeでひたすらインプット

1.2と並行して続けていって欲しいのが、ひたすら広東語をインプットしていくということです。これまでの内容はどちらかというと「目」によるインプットが主でしたが、ここでは「耳」ベースのインプットを紹介します。

具体的には広東語のYouTube動画をひたすら見まくる、というもの。初期の段階では意味は分からなくても、広東語の独特なリズム(特に母音や声調)を頭に入れていけます。

広東語の動画を普通に探そうとすると、かなり大変です。というのも、動画タイトルの漢字を見ただけでは繁体字であっても香港のものか、台湾のものかはほとんど見分けがつかないからです。

おすすめの探し方は、YouTubeの地域の設定を「香港」にしてしまうというもの。地域さえ設定してしまえば、あとは急上昇の動画をひたすらスクロールしていくだけで動画が探せます。

最後に

先ほども少し触れましたが、広東語はあくまで「話し言葉」。よくよく考えてみると、教材を買って文字を見ながら勉強していくというのは少し変な方法かもしれません。

ただ、やはりいつでも見られる教材を手元に置いておく安心感はありますし、単語もばらばらに覚えるよりは最初にある程度覚えてしまってから、Youtubeやドラマに移行していく方がよいと思います。