LL ouban

【中国語】4ヶ月でHSK4級に合格した勉強方法とおすすめ参考書

 

2018年の5月に中国語の勉強を始め、9月にあったHSK4級の試験に合格しました。ざっと4ヶ月、学習機関を月数で表すのは正確でないので目安に過ぎませんが、自分でもかなり早く合格できたんじゃないかと思います(かなり前の話ですが、書き溜めておいたので記事の正確性は保てています)。

今回は、4か月でHSK4級に合格した勉強法について、単語・リーディング・リスニング・ライティングの4つの観点から紹介していきます。

今回紹介する勉強法は、基本的にはHSK合格に向けたものです。HSK関係なく独学で中国語を学びたい人向けにはこちらの記事がおすすめです。

HSK4級のレベル

HSK4級はヨーロッパ言語共通参照枠のB2当てはまるレベルで、中級と上級の間くらいとされています。HSKのホームページでは、1200程度の語彙が要求され、大学の第二外国語における第二年度後期履修程度との指標が示されています。

こう見るとかなり難しいそうであるとの印象を受けますが、実際は全くそんなことはありません。日本人は漢字が理解できるというアドバンテージがあるので、単語の暗記や読解ではかなり有利です。

内容

「听力(リスニング)」「 阅读(リーディング)「 书写(ライティング)」の3項目からなり、それぞれ100点満点、計300点満点の試験です。合格基準は180点以上(6割以上)なので、ボーダーは低めです。

ここから長々と各項目の内容とコツを書いていきますが、勉強法を先に見たいという方は飛ばしていただいて構いません。

听力

第一部分(10問)

流れてくる音声の内容と、答案に書いてある内容の正誤を問う問題、要するに〇✖問題です。話し手は一人なので、会話形式ではありません。

第二部分(25問)

2人の話し手の会話とそれに関する問題文を聞いて、最も当てはまる答えをA~Dから選ぶ4択問題です(問題文も中国語で読まれます)。

第三部分(45問)

2人の話し手の会話とそれに関する問題文を聞いて、最も当てはまる答えをA~Dから選ぶ4択問題です(問題文も中国語で読まれます)。第二部分と同じですが、会話が長めになっています。

まとめ

最も点数が取りやすいのは意外にも第二部分です。というのも、選択肢の内容がスクリプトの中でしっかりと読まれることが多いので、そこさえ聞き逃さなければ点数は取れます。それに対して第一部分と第三部分は難関で、しっかりと内容を理解していないと点数が取れません。

閲読

第一部分(10問)

中国語の短めの文章にそれぞれ(   )で空欄が開いています。その空欄に当てはまる最も適当な語句を選択肢の中から選ぶ問題です。

第二部分(10問)

A B C の3つの中国語の短めの文章が順不同で並べてあり、それらを正しい順番で並び替える問題です。

第三部分(20問)

中国語の少し長めの文章に対して、4つの選択肢の中から内容にあったものを選ぶ問題です。

まとめ

リーディングは漢字ネイティブである日本人の最も得意な分野です(満点近くを狙えます)。とはいえ、対策は必須。第一部分と第三部分はひたすら単語を覚えるのみ。第二部分は構文(「因为~所以~」のような決まりきった形のこと、そのまま出てきます)が大切になってきます。

書写

第一部分(10問)

順不同で示された4~6個の中国語の語句の並び替え問題です。

第二部分(5問)

中国語の単語+イラストが描かれており、その語句を使った短い文を作る問題です。

まとめ

問題数が少ない分それぞれの点数配分は大きめなので、一問の重みがかなり大きいです。並び替え問題も作文問題も、文法事項(特に語順)の理解が重要になります。並び替え問題では、出やすい分野が決まっています(把構文や比較構文が頻出)。作文問題も、自分なりの「型」を作っておくと解きやすいと思います。

勉強法

1.発音(大前提!!)

これからHSK4級の科目になっている三技能+単語の勉強法を書いていきますが、発音はみっちりマスターしておくのが前提です。中国語は発音の比重が半端じゃありません。4ヶ月の中の1ヶ月くらいはまるまる発音練習に特化してもよいくらいだと思います。

発音練習というのは、具体的にはピンインの読み方を覚える②聞き分け・言い分けができるようになる、です。もちろんHSK合格のために特化するものでもありません。

発音の勉強法はこちらの記事で紹介していますが、発音をしっかりやっておかないと後で大変な目に遭います(特にリスニング)。発音だけはしっかりとやりましょう。

2.単語と文法を抑える(最初の2ヶ月)

HSKであれなんであれ、語学検定の勉強の王道は過去問を解きまくることですが、その前に単語と文法はある程度抑えておきます。

単語

HSK4級の1200単語はざっくりとしたものではなく、協会の方でどの単語が試験に出るかということが公表されています。

http://www.chinesetest.cn/godownload.do

(其他の項目の「新汉语水平考试(HSK)词汇」)

なので、実際は単語については単語帳を買うことなくまとめることができると思います。ただし、このリストは例文も無ければ音声もありません。ただ単語が順に並べてあるだけで、覚えるのに適しているとも思いません。よほどの事情がない限り、市販の単語帳を買って勉強しましょう(こちらの単語帳を使用しました)。

合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック

合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック

 

 ただし、ただ単語を見て意味が分かる、つまり聞いて意味がイメージできるだけではだめです。というのも、ライティングの第二問では単語を指定された作文問題が出題されるので、単語の使われ方を知っておかないと文章にできません。また、当然ながらリスニングでは単語は漢字ではなこととして入ってきます。見て分かるだけでなく聞いて分かるようにする必要があります。

そういったことも含めた単語の勉強法は、「ひたすら単語と例文に触れて声に出す(声に出すことで発音を染み込ませる)」につきます。中国語の単語の覚え方についてはこちらを参考にしてください。

ouban.hatenablog.com

 

文法

「中国語に文法は必要ない」などといわれることがありますが、少なくともHSKでは必要です。

HSKでは文の並び替え問題がリーディングに、短い作文問題と並び替え問題がライティングに出題されます。ここで高得点を得るためには、「語順」と「構文」が重要です。語順で言えば副詞の位置、構文でいえば「把構文」「使役構文」や「因為ー所以」などの決まった形です。

となると、何かしらの文法書は手元に置いておいた方が良いでしょう。おすすめなのをいくつか紹介しておきます。

中国語の入門[最新版]《CD付》

中国語の入門[最新版]《CD付》

  • 作者:山下 輝彦
  • 発売日: 2016/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

また文法書とは別に中国語の文章に多く触れるという勉強も必須です。リーディングでは内容理解の正確性やある程度の速さ、ライティングでも文法を覚えるだけでなく使える状態にしておかなければいけません。

3.過去問を解く

過去問を解き始めるタイミングは、だいたい4級の1200単語のうち7割程度覚えたくらいです。あまりに早く解きすぎてしまうと分からないことが多すぎて進みませんが、単語を完璧にすることはまず不可能なので、ある程度妥協して始めましょう。過去問を解くことによっても単語は身に着けられます。

HSKの過去問はこれ一択です。過去問は一周するだけではなく何周もするものなので、間違えたところや知らない単語には印をつけて、何回も見返せるようにします。

中国語検定HSK公式過去問集4級 2018年度版

中国語検定HSK公式過去問集4級 2018年度版

 

リスニングの勉強法

リスニングはどれだけHSKの音源に慣れられるかです。日本人の最も苦手とするリスニングですが、勉強法ははっきりしています。

それは「1回分の問題を一旦解いてみる」→「丸付けをする」→「ディクテーションをする」→「シャドーイングをする」、です。僕は、「問題解く」+「丸つけ」+「ディクテーション」を1セットとして一度にやって、その次の日くらいにシャドーイングをやっていました。

手順は、まず最初に試験1回分のリスニングの問題を一通り解いてみます。1回分全てやるのが負担なようなら、第一部分だけといった形でも良いでしょう。解き終わったら一度丸付けをして、とりあえず誤答した問題をメモしておきます。

丸付けが終わったら、早速ディクテーションに移ります。ディクテーションとは、リスニングの音声を漢字やピンインに転写していくというもので、自分がどこを聞き取れたのか、そして自分はどこが聞き取れていないのか、(またはそもそも知らない単語だったのか)というのをはっきりさせられます。実際にはすべて聞き取れていなくても大体の内容を理解できる場合が多いですが、聞き取れなかった単語を次回聞き取れるようにするためにも絶対にやっておきましょう。

余裕がある場合はシャドーイングと呼ばれる、模範音声の少し後を追うようにリピートしていく勉強法もおすすめです。ただしレベルもかなり高いので、無理して取り組む必要はありません。

 

理想の流れとしては、ディクテーションで自分の聞き取れなかったところをはっきりさせ、それを何回も聞いてスクリプトを自分のものにしてしまうということです。大変な作業かもしれませんが、続けていくと確実に力はつきます。

なお、HSK特有?というか何語においてもそうなのですが、難しい単語よりも簡単な単語の方が聞き取りずらいということがよくあります。中国語であれば介詞や量詞など。これらは決して難しいものではありませんが、一つ一つが短いのでしっかり聞き取るのは大変なこともあります。

リーディング勉強法

リーディングは、日本人ということもあり何も勉強しない状態で過去問を解いてもそこそこの点数がとれます。単語を覚える以外の特別な勉強法はありませんが、第二部分対策のために文法学習に力を入れましょう。第二部分は構文を覚えていれば高得点が狙えます。

また、過去問は文法事項の解説がかなり丁寧なので読むだけでも勉強になります。

第一部分以降はそれなりに対策が必要とはいえ、最低限の単語と文法さえ押さえておけばかなりの高得点が狙える項目です。

ライティング勉強法

ライティングも先ほども言ったような文法が大切になってきます。第一部分は特にそう。過去問を解いてみればわかるのですが、まあまあ難しいです。単語を抑える(単語がわからないと基本できないので)のと、副詞の位置など覚えるのに加えて、やはり中国語の文章をたくさん読むことに力を入れました。

第二部分も特別な勉強法はありませんが、単語を覚えるときに一緒に短めの文章を作文する練習をするとかなり役に立ちます。基本的に単語は範囲の中から出されるので、それらを使った文章さえ一通り作れるようにしておけば良いですし、いわゆる「決まった文」を覚えておけばそれに単語を当てはめていくようなやり方もできます(かなり便利)。

裏技的なこと:HSK3級の過去問を解く

HSK4級の勉強を始める前に、少しHSK3級の過去問を解いておくのが裏技的なやり方で、僕も実践しました。3級の単語数は半分の600語で、そこまで難しい文法も出ません。

中国語検定HSK公式過去問集3級 2018年度版

中国語検定HSK公式過去問集3級 2018年度版

 

 3級を受けるつもりでなくても、中国語の基礎ができているかを確認するためにHSK3級の過去問を解いてみるというのはいいアイデアだと思います。

はじめに3級の単語を覚えて、問題を解いて、ある程度手応えが感じられるようになってきたら4級に移ってみるというやり方です。余分なお金はかかりますが、より確実ではあります。

ちなみに、3級と4級は同時に受験することも可能です。受験料は2倍になりますが...。

まとめ

HSK4級はHSKでいうところの上から2番目のランク。そう聞くとかなり難しそうに聞こえますが、しっかり準備をして臨めば問題ありません。

HSKは全体のうち6割とれば合格です。おすすめの点の取り方の例としてはまずリーディングで9割以上とれるようにしておくということ。そのうえで、リスニングとライティングで安定して7割取れるようになれば、怖いものはありません。

今回紹介した書籍

合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック

合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック

 
中国語の入門[最新版]《CD付》

中国語の入門[最新版]《CD付》

  • 作者:山下 輝彦
  • 発売日: 2016/08/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
中国語検定HSK公式過去問集3級 2018年度版

中国語検定HSK公式過去問集3級 2018年度版

 
中国語検定HSK公式過去問集4級 2018年度版

中国語検定HSK公式過去問集4級 2018年度版