【中国語】(隠れ難関)発音の勉強法・練習法とおすすめの参考書
- はじめに
- 発音の勉強法
- ポイントはピンインを読めるようになること
- 1. 声調を学ぶ
- 2. ピンインと正しい発音を一致させる(母音)
- 3. ピンインと正しい発音を一致させる(子音)
- 4.とにかくたくさん中国語を聴いて耳になじませる
- 最後に
発音は中国語学習者の誰もが認める最難関分野です。僕もこちらの記事で書いているように、中国語学習の最初のうちはひたすら発音に力を入れるべきだと思っています。
中国語の発音は、声調という日本語や英語にはない概念や、その子音や母音の多さが難しいといわれる所以です。ただし、正しい方法で力を入れればかなりのレベルに上達します。
方言差が大きい中国では、中国人でも正しい発音ができないというケースが多くありません。ある程度のレベルにまで発音を上達させられれば、中国人と間違われることもあります(見た目も似てますし)。その意味ではかなり達成感があるでしょう。
はじめに
飛ばしていただいて構わないのですが、中国語はネイティブであっても発音が全然違うことがあります。特に日本人が苦手にしがちな発音はその傾向が強め。
例えば中国語で聞き分けが難しい母音の代表例が「an」と「ang」です。日本語にはない違いなので、よく「an」は「案内のアン」で「ang」は「案外のアン」であるというのがこれを説明するのに使われます。ですが、南の方に住む中国人は両者を区別して発音していません。どちらも「an」と発音している方が多いようです。また聞き取る際も、「an」か「ang」か分からなくて言っている内容が理解できないなんてことは基本起こりません。
そり舌音の「zhi」「chi」「shi」も同様で、南方の人は「zi」「ci」「si」と同じ発音になりがちです。ここでも極論を言ってしまえば、全部「zi」「ci」「si」で発音してしまえばそり舌の発音に苦労することもないわけです。
まとめると、「zhi」「chi」「shi」がうまく言えなくても、「an」と「ang」の違いがよく分からなくても日常生活には全く支障がないということ。
ですが、我々はあくまで学習者です。発音の勉強をする際は、そり舌音の発音やこうした違いまで含めて一度は覚えてみるべきだと思います。その上で、実際に話すときにどう発音するか、聞き分けようとするかは個人の自由です。
発音の勉強法
発音勉強の具体的なステップを紹介する前に、まず何かしらの中国語の発音の参考書を1冊用意することをおすすめします。
わざわざ本を買わなくても、Youtubeやネットのサイトでも十分ではありますが、手順を追って順に見つけていくのであれば参考書を利用した学習が一番です。
中国語の最初にして最大の関門は発音。ここでしっかりとした発音、ピンインの読み方を身につけておかないと後になって苦労します。
おすすめはこの一冊。声調はもちろん、日本人にはなじみのない新しい子音や母音を分かりやすく説明しています。
ポイントはピンインを読めるようになること
発音学習のゴールはピンインを読めるようになり、そして正しい発音がイメージできるよういなることです。台湾の中国語をやりたい人は注音符号でも問題ありませんが、ピンインがメジャーでしょう。
中国語を話すときはピンインなど頭の中にありません。音をそのまま発しているだけです。ただし、我々ノンネイティブは単語を覚えるときにピンインがあったほうが便利です。未知の単語があっても、ピンインさえあれば発音できるわけです。
発音記号としてのピンインの難しい点は、つづりと発音が一致しないことが多い点です。「si」は「シー」というよりも「スー」に近い発音ですし、「xi」はそのまま「シー」です。
ただし、英語のように発音とつづりがぐちゃぐちゃというわけでは決してなく、しっかりとした規則に基づいて発音とピンインがつながっています。その点で心配する必要はありません。
ピンインと発音を一致させる際には、こちらのアプリがおすすめです。
1. 声調を学ぶ
子音母音を学ぶ前に、まずは四声とよばれる4つの中国語の声調を覚えます。知っての通り、1声から4声(+軽声)の区別が中国語には存在します。子音・母音・声調がすべて組み合わさって一つの漢字なので、まずはここからです。
また、いつくつかの特別なケースでは声調が変化します。3声(低いトーン)が連続すると、前の3声は2声(上がっていくトーン)に変わります。こういったことも早めに片付けておきましょう。
2. ピンインと正しい発音を一致させる(母音)
声調をマスターしたら、次は母音にうつります。中国語の母音の数は日本語のそれよりもはるかに多く、単母音だけで7種類あります。それぞれの発音を取り上げることはここではしませんが、とにかく日本語と全く同じ母音は存在しないと思ってください。
「a」なども口を大きく開けて発音しますし、「e」は「エ」ではなく、「エ」「ウ」「オ」の中間に位置するようなあいまいな母音です。
2重母音、3重母音も難しいポイントです。「ian」は「イアン」ではなく「イアン」と読み、「eng」は「エン」というよりは「オン」に近い発音です。これについてはひたすら発音して覚えていくよりありません。
3. ピンインと正しい発音を一致させる(子音)
子音も日本語よりも種類が豊富です。子音の発音は、一般的に言われているほど難しくはありません。「zh」「sh」「r」はじめ、日本人には発音しずらい音もありますが、練習を続ければできるようになりますし、うまくない中国人もたくさんいるので気にしすぎる必要はありません。
ただし、母音と同様に難しいのがピンインとの関係です。最初の方にも紹介しましたが、しばしばピンインの表記と実際の発音というのは微妙に異なります。子音に限って言えば、歌で簡単に覚えてしまうのがおすすめです。
Youtubeでbpmf歌などと調べれば、子供向けのピンインの歌がたくさん出てきます。
4.とにかくたくさん中国語を聴いて耳になじませる
順番では一番最後になってしまいましたが、今までに紹介した1から3の手順と並行して続けてほしいのが、「とにかくたくさん中国語を聴く」という作業です。
何かこの習慣が特定の能力を伸ばすというわけではありませんが、新しい言語のリズムを耳になじませておくというのは非常に大切です。
1から3までは一文字一文字の発音に特化した学習です。実際に話されている文章のリズムであったりを学んでいるわけではありません。
このためにわざわざCDなどを買う必要はないので、Youtubeで面白そうな中国語の動画があったら、とにかく聞いてみてください。Youtubeに公開されている中国語圏のテレビ局の動画でもよいでしょう。
最後に
発音というのは、中国語を学習していくうえで誰しも最初にぶつかる難関です。この部分を適当に済ませて単語や文法学習に進んでしまうと取り返しのつかないことになります。
単語だけは1週間でも2週間でも時間をかけて、万全の状態で単語や文法に進めるようにしておきましょう。