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【中国語勉強法】しっかり身につく単語の覚え方とおすすめ単語帳まとめ

 

中国語には日本語と共通の語彙が多いので、最初のうちは単語学習にあまり苦労しません。ですが、微妙に意味が違ったりするケースや、単語の意味はわかっても聞き取れなかったり使えなかったりするケースも多いのが事実。今回は、中国語の単語を覚えるおすすめの方法を紹介していきます。 

はじめに

単語の具体的な覚え方を説明する前に、中国語の特徴を踏まえてどのような方針で覚えていくのがいいのかや、知っておくと役に立つコツをていきたいと思います。

基本方針1:発音重視 

私たち日本人は漢字がわかるので、大体の中国語の意味は予想がつきます。日本語には存在しない漢字や、形の変化したものなどが少なからずあるとはいえ、覚えるのは比較的簡単で、ここで苦労はしないと思います。

しかし、問題なのはその「発音」です。文章を読み書きするだけなら発音はいりませんが、中国語を話したり聞き取ったりする場合は単語の漢字と意味に加えてその発音を理解する必要があります。

なので、どうしても単語と発音を一致させるのが最優先となります。

絶対条件:ピンインが読めること

ピンインが読めるというのが単語学習をする上でのスタートポイントです(注音符号でも構いませんが基本的にはピンインで)。ピンインがわからないと単語の発音もわかりませんし、使えるようにもなりません。外国人として中国語を学ぶ以上、ピンインから始めないといけないのです。

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単語学習を始めるのであれば、ピンインを見て正しい発音が思い浮かぶことです。一部のそり舌音や鼻音がうまくならないといった悩みはあるとは思いますが、「自分ができない発音がわかっている」というだけでもOK。

コツ:耳で覚える

当たり前ですが、音声は必須です。市販の単語帳を買っている場合は音声CDを活用しましょう、といいつつも、実際には市販単語帳のCDはかなり使い勝手が悪いですよね。

というわけで、発音を確認するのに一番おすすめなのはスマホアプリ「pleco」です。これが無料なのが恐ろしいレベルに充実しています。

コツ:漢字と発音の一致を重視

日本語には音訓という2つ(ないしはそれ以上)の読み方があり、漢字の読み方一つを覚えたからといってそれで全ての読みに対応できているわけではありません。それに対して中国語は、一つの漢字に対して読みは一つが普通です。なので、漢字の読み方さえ覚えてしまえば、その漢字が含まれている別の単語を覚えるのがかなり楽になります。例えば、上海という中国語の読み方は日本人にも馴染みがあるので覚えているでしょう。

「上海 shang4 hai3」

です。この単語を一つ覚えることによって、「上」と「海」という2つの漢字の読み方を学ぶことができました。

「南京   nang2 jing1」

次に、この単語を覚えると、「南」と「京」という2つの漢字の読み方を学ぶことができます。

これらを踏まえて、もし「南海」という未知の単語が出てきたとしても、南京のnanと上海のhaiだから「nan2 hai3」だと予測することができます。

また、「越南」という読み方の知らない漢字が出てきたとしても、「南」の読み方が分かっている分覚えるのは比較的楽です。

もちろん、このやり方で単語をマスターできるわけではありませんが、中国語における漢字の発音を覚えることの重要性は理解していただけたかと思います。

なので、中国語の単語を覚えるときは単語だけではなく漢字ひとつひとつにも注目してほしいと思います。漢字は日本人の生活に溢れており、いたるところに漢字が存在します。そんな漢字の中国語読みを調べるという作業もめんどくさいですがおすすめです。

基本方針2:優先順位にそって

どの単語がその人にとって重要かはどのような目的で中国語を勉強しているかによります。旅行を控えて中国語を勉強しておきたいという方は、ホテルや空港での単語が最優先になります。HSKなどの資格獲得を最重要目的としている方にとっては、試験範囲の単語を覚えるのが最優先です。

こうしたいわゆる「優先順位」も大切ですが、これ以外に意識しておきたいのが覚えやすさでの優先順位です。というのも、いくつかの中国語は漢字がわかる日本人が見ると一目で意味が理解できてしまいます。いくつかは全く同じものですし、多少漢字が違っても大抵は予想可能です。ここで、意味の理解は簡単であるため、あまり重要な問題ではないということになります。では何が重要なのか、それはやはり先ほども行った発音になってきます。

中国語の単語は基本的に発音>意味です。ただし、介詞・量詞や一部の副詞は除きます。

基本方針3:忘却曲線を意識

効率的な単語の覚え方を考えるにあたって、最も大切なのは復習のタイミングです。忘却曲線というのは下図のようなもので、要するに適当な感覚で復習を続けていくことによって長期記憶が生成されるよ、というもの。

忘却曲線の仕組みを単語学習に応用すると、次のようなことが大切になります。

コツ:一気に学習+たくさん復習

詳しい勉強法は後で紹介しますが、「一度に一気に学習」するというのが一つの大きなポイントです。一気に単語を覚えようとしても覚えきれないのが現実なのですが、それは当たり前だと受け入れましょう。この「なんとなく見たことがある単語」の復習を繰り返すことで長期記憶が形作られるというのが忘却曲線の考え方です。中国語に限らず、単語を覚える際に最も意識しておきたいポイントです。

具体的な覚え方

1.覚える単語を決める

まず最初に、どの単語を覚えるのか決めるのがわかりやすいです。初級から始める方であれば、最初は「キクタン」、後々HSKの受験を目指しているのであれば「HSK1〜4級単語」といったものがおすすめです。

単語レベル関係なしに最高の単語帳は何かと言われたら、間違えなく「聴読中国語」です。ただしレベルは少し高めなので、最初から取り組むのにはおすすめしません。

単語帳は極力使わない!というスタンスでも構いませんが、その場合でも自分の中でどの単語を覚えるのかのリストアップはしておいた方が良いと思います。

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2.区切る

覚える単語の範囲を決めたら、それらの単語を区切っていきましょう。区切るというのは、つまり1日に何単語やるか決めるということです。

例えばですが試験までにこの単語帳のうち1000語覚えないといけないとしましょう。試験が6ヶ月後なら、1日10個とかでも余裕ですが、そういうことをいっているわけではありません。「たくさんの単語を一度に覚える(見る)」のがポイントなので、1日のタスクは100〜200くらいが適当です。

3.一日で区切った分覚える(+前日/前々日の復習)

1日のタスクを覚えます。当たり前ですが100語ごと区切ったとして、1日で100語全てを覚えられるわけがありません。たとえば1日の中でも朝100語ざっと見る、昼100語ざっと見る、夜100語ちゃんとやってみるといった感じ。その翌日には、その翌日のタスク+前日の単語の復習をします。1語1語にたくさんの時間をかける必要はありません。

何回も見ていく中で、これ覚えてきたなといった単語は結構あるはずです。最初に単語を見た段階でこれ知っているなという単語もあるはずです。そういった単語は斜線か何かで消していけば、効率的になります。

ただし、どんなに忙しくても声に出して読むことは絶対にしましょう。

ここまでは単語暗記の定番

ここまではどんな言語にも共通している単語学習の定番です。もちろん上で紹介したような手順をこなしていって全く問題はないのですが、その単語をさらに使えるようにしていく、実際に聞き取れるようにしていくにはさらに踏み込んだ練習が必要です。

使えるようになるために

1.例文作り/例文音

覚えるだけなら今紹介したやり方が最強です。ですが、実際の文章の中で使うためには例文作りや例文音読が不可欠です。

例文作りは単語帳の例文をそのまま書き写しても構いませんし、自分で作る場合でもごく簡単なもので大丈夫。それ以上に大切なのは、それを何回も音読することです。

聞き取れるようになるために

1.ピンインから変換していく練習

日本人は漢字がわかるので、大体の中国語の単語は予想がつきます。最初の方でも言いましたが、基本は発音を覚えることの方が大変です。

よく日本人に起きがちなのが、漢字を見せられたら発音もできるし意味もわかるけど、ピンインを見せられると思考がストップするというもの。ピンインから意味がイメージできないというのは、音と単語が結びついていないということで、リスニングでは致命的です。

こうならないようにするために、こまめにピンインから意味をイメージしたり、漢字を書いたりする練習をするのがおすすめです。

2.中国語をこまめに聞く

ここまでくるとリスニング力向上の世界ではありますが、どちらにせよ中国語は毎日聞くようにしましょう。ドラマでも映画でもYoutubeでもなんでもOK。自分が心から楽しめるようなものを教材にしてしまえばよいのです。

何回も出てきた単語は自然に耳に残りますし、だんだんと自分の発音も矯正されていきます。

最後に

単語学習は外国語を習得するうえでの最大の壁です。中国語は漢字が使われている分日本人にはとっつきやすくみえますが、発音の難しさ(特に声調)など単語を覚えて、さらに使えるようにしていくまでの道のりは簡単ではありません。とにかく発音・発声重視で単語も習得していくのがおすすめです。

今回紹介した書籍

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