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日本・中国・台湾(香港・マカオ)で使われている漢字は同じ?簡体字・繁体字・新字体・旧字体の違いまとめ

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漢字は、日本/中国大陸/香港・澳門/台湾での日常生活で使われています。その他シンガポールやマレーシアでも漢字は見られますし、かつては韓国やベトナムでも盛んに使われていました。

今回は、それぞれの地域で使われている漢字の違いについて、冒頭に紹介した3地域(日本/中国大陸/香港・澳門・台湾)に特に注目して、比較していこうと思います。

日本の漢字

いま私たちが日常的に使っているのは新字体と呼ばれる漢字です。

新字体は主に戦後になって制定されたものですが、それ以前に広く用いられていた漢字は旧字体と呼ばれています。

新字体ー広・語・国

旧字体ー廣・語・國

中国本土の漢字

中国で使われている漢字は知っての通り「簡体字」と呼ばれる簡略化された書体です。その点では日本人の使う「新字体」と共通しています。

漢字にもよりますが、簡体字の方がより簡略化されているという印象を受けると思います。中国では簡略化されているけど、日本では簡略化されていない部分、日本では簡略化されているけど、中国では簡略化されていない部分など、違いはかなりあります。

なお、東南アジアで中華系移民の多いマレーシアやシンガポールでも漢字が使われることがありますが、その場合は簡体字が多いようです(繁体字も一部見られます)。

簡体字ー广・语・国

香港・マカオ・台湾の漢字

香港・マカオ・台湾で使われている漢字は繁体字と呼ばれるもので、基本的には日本でかつて使われていた「旧字体」と同じです。

これらの地域では中国の北京政府による支配を長い間直接は受けてこなかったため、中国本土で見られた漢字の簡略化は行われませんでした。

旧字体の知識がある方であれば、台湾や香港の観光地でも楽々看板の字を読めてしまいます。

繁体字ー廣・聲・國

簡体字新字体は何が違うのか

繁体字および旧字体はかなり似通っていて、ほとんど同じものといってもよいでしょう。

それに対して新字体簡体字はともに読みやすさ、書きやすさを求めて簡略化された形ですが、両者のデザインは相違点もそれなりに多いといえます。

簡略化の手法もだいぶ違うので、一目で理解するのは大変ですが、簡略化の法則性ははっきりしています。特定の部首やつくりがどう変化するのかは簡単に覚えられます。

簡体字の特徴について整理してみると、上で扱っていないような例も含めて、もちろんこれだけではありませんが簡単につぎのようにまとめられます。

・部首の簡略化:说(説)・骑(騎)・较(較)

・難しい部分の省略:广(広)・产(産)・飞(飛)

・難しい部分を置き換える:汉(漢)・风(風)・仓(倉)

韓国/ベトナムの漢字(参考)

韓国もベトナムもともに漢字文化圏ですが、現在はどちらの国でも漢字は日常生活の主流ではなくなっています。

どちらも繁体字ベースですが、どちらも新しく作られた固有の漢字が多く生まれています。日本語における「畑」や「峠」のようなものです。

最後に

漢字は非常に奥の深い世界です。何しろ「表意文字」であるので、実際に話す言葉が違っていたとしても、漢字を見て意味を類推できるのです。

その意味では、中国語という言語は我々日本人にとってかなり学びやすい言語であるともいえます。

漢字の違いに興味を持ったのであれば、ぜひ中国語にも手を出してみください。