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【IELTSリーディング対策】8.0を目指すためのおすすめの勉強法【ポイントは「速読」】

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IELTS Reading (Academic) の概要

IELTS Reading test は60分間の試験です。大問は3つあり、合計3つのパッセージを読む必要があります。問題は全部で40問。1パッセージあたり10問から15問の計算です。

取り扱われるパッセージは、アカデミックなものが多めです。広告や手紙など、他の試験でありがちな題材は出てきません。ただし、アカデミックといっても専門的な知識が要求されるようなものではないので、安心してください。

点数とスコア

知っている方は読み飛ばしていただいてかまいませんが、IELTSは9段階評価(バンドスコア)試験で、0.5点刻みで点数がつきます(つまり、満点9点の一つ下は8.5、そのまた一つ下は8)。40問のうちどれだけ正解したかに応じてバンドスコアが与えられます。

正解数 バンドスコア
39-40 9
37-38 8.5
35-36 8
33-34 7.5
30-32 7
27-29 6.5
23-26 6
19-22 5.5
15-18 5

上の表を見てもらえばわかるように、満点スコアを取るためには全問正解または一問ミスが条件。逆に7割程度あっていれば7はつきます。リーディング(およびリスニング)はライティングやスピーキングに比べてかなり高得点が狙いやすいはず。

リーディング勉強法の基本:速読力を伸ばすこと

IELTSのリーディングにおける最大のポイントは速読力です。速読といっても、ただ速く読めばいいという意味ではなく、内容の理解も伴っている必要があります。ここでの速読力とは、「いかに速く正確に内容を理解できるか」というもの。

誤解してほしくないのが、よく言われる「ポイントだけを探し出して読み込む、それ以外のところは流し読み」といった手法を準備段階から推奨しているわけではないということ(実際の試験では有効です)。ただし、これを早い段階からしてしまうと、「速く読んで内容を理解したつもりでいたけど実際は全然頭に入ってなかった」ということが起こりがちです。ここでいう「速読」は決して「精読の逆」ではなく、「速い精読」といってもよいでしょう。

大前提:最低限の文法知識と語彙力

大前提ですが、最低限の文法知識と語彙力は必要です。特に大切なのは語彙力。リーディングの問題を解いていく過程でも語彙力は身についていくので、最初から完璧にしておく必要はありませんが、文章に出てくる大半の言葉は分かるようになっておかないと内容理解に支障が出ます。IELTS向けの単語の覚え方についてはこちらの記事を参考にしてください。

最終目標は5分で1パッセージを理解すること

速読力を伸ばす上で最終的な目標にしたいのは、実際の試験で「1パッセージ5分」というペースで文章を読み、理解することです。

速いと思われるか遅いと思われるかは分かりませんが、時間に余裕をもってリーディングの問題を解いていくためには、この程度の速さがあると安心。ただ、速く読もうとして内容理解が疎かになるのは最悪なので、無理はしないように注意。具体的な解き方、読み方についてはこちらの記事を参考にしてください。

 

時間配分については、詳しくこちらの記事でも紹介しています。

ouban.hatenablog.com

精読と多読の繰り返し

速読力を伸ばすためにすべきなのは、精読と多読の繰り返しです。ポイントは以下の3つ。

・最初から速読はしない(文章の単語や文法構造を確認してから)

・何度も読みまくり、最終的に3分で読み終わることを目指す

・余裕があれば音読も取り入れる

まず用意するべきは過去問、または練習問題です。個人的には必ずしも用意する必要がないように感じています。過去問や練習問題の探し方については、以下の記事を参考にしてください。

 

ouban.hatenablog.com

 

当たり前かもしれませんが、過去問や練習問題をきっちり時間を計って(できれば60分ぶっ通し)解いていく作業は必須になります。なので具体的な手順としては

①問題を解く(解き方については先ほどのリンク参照):60分

②答え合わせ:1分

③解きなおし(質問文と問題文の読み直し=単語や文法構造の確認):30分

④読みまくる:1セット3分~5分

となるでしょうか。一度精読した文章を読みまくることになるので、3分で内容を理解できるようにはなっておきたいところです(実際の試験は初見の問題なので先ほど言ったように5分でOK)。

速読力を伸ばすポイント:最初はゆっくりでいいので戻らないように読む

速読力を伸ばすために一番大切だと思っているのが、普段から英文を「戻らないように読む」ように心がけることです。文章を読んでいるときにさらっと英文を流してしまって、あれさっき何言ってたっけ、となりもう一度戻って読みなおす、というのはありがちなことなのではないかと思います。

ただ、これをしてしまうと時間のロスになるのはもちろん、別の言い方をすれば集中力が落ちているということになってしまいます。なので、最初の段階では無理に速く読むことは意識せず、絶対に戻らないように、一回目を通しただけで内容を理解することに集中してみてください。

なお、この練習はIELTSの問題を使わなくてもできます。BBCやCNNなど、海外のニュースサイトを利用して毎日英文を「戻らないように」読む練習をしてみましょう。

速読のコツ:「かたまり」で文章を見る(主語、動詞、目的語、修飾と被修飾の理解)

もうひとつの速読のコツは、文章を「かたまり」で見るようにするということ。こうすることによってスピーディーに文章を一回で理解することができるようになります。

「かたまり」というと少し子供っぽい感じがするかもしれませんが、もっと英文法ぽい言葉を使うと、どの単語(または単語の集まり)が主語または目的語で、どれがメインの動詞で、といったことを理解するということです。

Health Secretary Matt Hancock says the approval of the Oxford-AstraZeneca vaccine "is a really significant moment" in the fight against the virus.

https://www.bbc.com/news/live/world-55478521

上の英文はBBCのとある記事の最初の1文です。この文章はかなり簡単かもしれませんが、カンマが何回も続いたり、関係代名詞による修飾が加わったりして、さらに複雑になった英文がIELTSではよく出てきます。

BBCの英文を例として使ってみると、health Secretary Matt Hancock が全体の大きな主語で、saysがメインの動詞、後の残りはすべて大きな目的語といってもよいでしょう。目的語の部分をさらに分解してみると、the approval of the Oxford-AstraZeneca vaccineが主語、isがbe動詞で、それ以降が補語とその修飾です。

何か中学、高校英語のような感じがしますし、嫌いな人は嫌いかもしれません。文法用語を覚えたり、こんなことをいちいち頭の中で考える必要はありませんが、やってほしいのは「かたまり」を意識することです。

例えば頭の中で英文を読むときに、Health Secreatary Matt Hancock Says、で一呼吸置くと、その後には何かしらの文章(thatが省略されている)が続くんだな、と予想できます。このようなあまり難易度の高くない文章の場合はわざわざする必要もないかもしれませんが、複雑な文章の場合は一呼吸置きつつ読むのが混乱を防ぐためにもおすすめです。

最後に

今回は紹介しませんでしたが、問題文の読み直しをする段階でよくわからない単語が出てくることがあると思います。そういった単語は何度も後々読んでいくうちに自然に覚えるのでそこまで意識しなくても構いませんが、やはり問題文中に出てきた単語は単語帳の単語とは別にまとめておくのがおすすめ。詳しくはこちらの記事で紹介しています。